今さらだけど一応書く。
4マスの広告宣伝費はどんどん減少していて、単純に「終わったな」と言う人も少なくないし、メディアの取り上げ方もその傾向が強い。
その影響は当然クライアントにまで及び、出稿費の減額はさらに続いている。
もちろん、「新聞?読まないよw」「ラジオ?聴かないよw」という人は実際増えた。
モバイル業界にずっといる僕だが、この業界の人の中にはやはり、「4マス広告は死んだ」と思っている人が数多くいる。
「モバイルで刈り取ろうぜww」と単純に言う人がいる。
僕は、4マスの広告宣伝費の減少は「迫りくる死」を意味するものとは思ってないし、ましてや、そこで減った宣伝費が全てネット・モバイルにまわってくるとも思っていない。
モバイルメディアにずっと携わっている僕だが、モバイルは決して万能でなく、むしろブランディングにはそこまで向いておらず、あくまでツール、ハブorゴールとして機能すべきだと思っている。
例えば、仕事上、最近数多くの女性誌を読んでいるが、やはりWEBで見るより、雑誌で見るほうが質感や素材感が伝わるし、記憶に残りやすい。
ラジオ(&ポッドキャスト)も聴くが、聴覚への働きかけもやはり記憶に残る。
新聞は三面記事がいい例だが、あの見せ方(レイアウト)もいい。わかりやすい。
いまだにテレビでキャッチアップされるのもわかる。
ネット・モバイルの登場により、4マスの視聴数が減るのは当然のこと。
24時間という限られた時間を何に割り当てるのかはその人に依存するが、ボリュームはどうであれ、媒体が1つ増えれば割り当てる時間も減る。
今までの4マスはいいバランスを保っていた。
例えば、家ではテレビを見て、電車では新聞・雑誌を見て、街中・オフィスではラジオを聴く。
そこにそれらマスを補完するインターネットとモバイルが登場したことで、バランスは崩れた。
しかし、パーフェクトに補完できているわけではない。コンテンツによっては(商材によっては)他媒体を視聴したほうが広告効果が高いものもたくさんある。
クライアントによってそのあたりの考え方にはまだまだ偏りがあり、それぞれの媒体の価値を理解できて出し分け・使い分けができているクライアントは少ない。
それは各媒体の人間、代理店の人間が各媒体の特性をしっかりと理解し、認め、繋がり、コミュニケーションを創り、提案していかなければならない。
情報洪水になり、消費者は情報を選択して受信するようになった。いや、キャパ的にキャッチアップに限界が生まれた。
しかし、消費者はそれぞれの生活の中で、それぞれの方法で情報を受信し続けているし、アテンション→インタレストにつながったものは、その時自分の一番扱いやすいツールでその情報にアクセスしようとする。
ネット・モバイルはそのアクセスを簡単にした。ここ数年それが強みであることは変わりないし、それ以上でもそれ以下でもない。
どんなに素晴らしいキャンペーンサイトを作って、どんなに評価されても、まだまだ一般消費者には届いてないし、業界の中で盛り上がっていることのほうが多い。
(もちろんこれは必要なことで続けるべきなんだけど。導線の問題もある。)
まだまだブランディングは他媒体の方が強い。
(数的な問題ではなくて、見え方の問題)
長くなってしまったけど、やっぱりそれぞれの媒体の強みを認めつつ、協力してコミュニケーションを創っていくことが非常に重要だと思ったのであらためて書いてみました。
最近営業で空しくなる発言をされることが多かったので・・・
あぁ、あとやっぱり「あ、安部礼司」はすごいなぁと思って。
ラジオもまだまだ死んでないね。むしろこれから楽しいはず。
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