10月28日、mixiが日本郵便と手を組んだ、「mixi年賀状」というサービスの発表を行った。
このサービスはもともと博報堂DYメディアパートナーズが日本郵便とともにmixiに話を持っていったことがきっかけ。
サービスの詳細はこちらを見てください↓
「mixi年賀状」 住所知らないマイミクに郵送
ポイントを一応簡単にまとめるとこんな感じ。
①名前や住所を知らないマイミクやコミュニティメンバーに年賀状を送れる
⇒ミクシィが仲介を行うので、お互いの名前・住所を知ることはない。
②選べるテンプレートは100種類以上。しかもスポンサー広告付きのもある。
⇒トヨタ自動車など数社は既にスポンサーになっている。
③決済はクレジットカード
⇒楽ですね。
ミクシィがこのサービスをどのように捉えているかはわからないが、色々な可能性を秘めているし、これからのウェブ、コミュニティの在り方を考えるいい材料にもなっている。
このサービスに見える可能性を、いくつかのポイントにまとめてみることにします。
①正確な個人情報の取得
ミクシィ側で個人情報を管理することで、ユーザーのリアルプロフィールを得ることが可能になる(もちろん二次利用などの問題もあるが)。これによってリアルなエリアターゲティングも可能になる。
②ソーシャルグラフの形成
誰が誰に対して年賀状を送っているか、どんな内容か、受け手・送り手はどんなプロフィールを持ったユーザーなのか、どんなコミュニティに属しているのか、そういう部分に着目することで、「マイミク」の関係では見えないソーシャルグラフを形成することができる。(よりFacebook的に関係性を見ていくことができるかもしれない)
③新しいビジネスモデルの創出
単純なバナー広告ではなく、「コミュニティ」という場、ユーザー同士の関係に着目したビジネスモデルが産み出されている。ミクシィは今後ユーザーにプレゼントを贈るサービスなども計画中のようだが、そのようなネットとリアルを連動したビジネスモデルが今後躍進するかもしれない。
これは決してコミュニティなどソーシャルメディア内においてのみ可能というわけではなく、例えばコミュニティ内でつながっているユーザー同士ではなく、ただチャットルームでチャットをしているだけの関係であっても、メールアドレスさえわかれば年賀状だってプレゼントだって送ることは可能だ。
コミュニティを形成しているソーシャルメディアは今までバナー広告の見せ方やタイアップ広告の見せ方、そんな部分にこだわってきた。
もちろんそれは今後も必要だ。
しかし、これからはコミュニティが持つ本来の価値に着目していく必要がある。
いや、もしかすると視野が狭くなりすぎていただけで、もっと前から取り組むべきだったかもしれない。
もちろん、例えば今回の日本郵便のようにクライアントがウェブ、ソーシャルメディアに働きかける意味を理解してくれて初めて成り立つものであるから一概にそうは言えない。
今になってようやくウェブに対する理解が浸透してきたのかもしれないからだ。
とにもかくにも、ウェブにはまだまだ色々な可能性がある。楽しい。
まぁ、今回びっくりしたのが、広告代理店がこの企画を考えたということ。
どこまで考えてプランニングしたかはわからないけれど、結果的にウェブの未来を明るくしたし、メディア運営者に「気づき」を与えたと思う。
なんか悔しいな。
最近のコメント