Web担当者Forumの記事を読んでいたらとてもいいことが書いてあったので引用。
人々の趣味趣向が多様化し、受け取る情報の量が急激に増え、メディアが多様化し、そして人々は広告に慣れて賢くなっています。今はそんな時代だということを理解すれば、「マスでごっそりと広くメッセージを告げる」が効くのは一部の消費財だけであり、ほとんどの場合はセグメントに合ったコミュニケーションのデザインが必要なんだというのは、好むと好まざるとにかかわらず、わかるはずでしょう。そして、そのコンタクトポイントの選定やコミュニケーションのデザインにおいて、マス広告かネット広告かというのは、選択の結果でしかないんですよね。
さらにその方向性を推し進めると、「クロスメディア」という考えも、ある意味では否定することになります。
というのも、メディアミックスやクロスメディアというと、複数のメディアを組み合わせることが前提となっていますよね。しかし、前述のコミュニケーションデザインの考え方でいくと、扱うメディアが複数かどうかも、どうでもいい話なんです。ラブレターを届けたい相手によっては、それが最適ならば1つのコンタクトポイントだけでいいはずなんです。複数のメディアを組み合わせるのは、あくまでもコンタクトポイントを複数使うのが効果的な場合に利用する手段であり、それを目的としてしまうのは筋が違うということなんです。(ネット広告/マス広告とかの区別よりも、大切なのはコミュニケーションデザインでは?より引用)
「明日の広告」でも似たようなことが書かれていてはっとさせられました。
確かに「メディアミックスでさぁ」とか「クロスメディアの展開でさぁ」とか広告をプランニングする時に当たり前のように話していますが、確かにどうでもいい話ですね。
大切なことは・・・
①どういったクライアントか
②クライアントのニーズは?
③アプローチしたい相手は?
・・・を知った上で、アプローチしたいターゲットとのコンタクトポイントを見つけ、確実に訴求していくこと。
僕はずっとモバイルメディアの中で広告のプランニングをしてきたが、ここ数ヶ月とても違和感を感じることがあった。
それがまさに上に書いたことで、クライアントによっては、モバイルで訴求するよりもテレビ・雑誌の方がいい場合もある。
でもモバイルメディアを生業としている以上、何らかの提案をしなくてはならないし、それが売上につながるのであればやらなくてはならない。たとえそれが良い効果につながらないとしても。
そんなことに嫌気がさしてしまうのは僕の「ビジネス」に対する甘さだったり弱さだったりする。
しかし、会社の売上どうこうではなく、もう少し広い視野で見た場合、やはりリアクションの薄そうなコンタクトポイントでの広告は打ってはいけない。
広告は広告を打ちたいクライアント、受け皿となるメディアがあってこそ成り立つものであり、その受け皿が間違った方向に進めば進むほど、クライアントは財布の紐をきつくするようになる。
特に、まだまだ無限の可能性が広がっているネット・モバイル広告において、クライアントをがっかりさせてはいけない。
だからといって、案件がきたら提案をしなくてはならないのがメディアの宿命。
僕を含め、メディアの人間は何とかストーリーを作り、無茶なタイアップを行ったりしなくてはならないのだ。
この流れを変えられるのは少なくともメディアではない。
クライアントが気づくか、代理店が変えていくしかない・・・と今は思っている。
(もちろんメディアが色々な広告の出し方を考えることは必要だが)
的確なコンタクトポイントで的確なターゲットに向けて広告を打つこと、それが「明日の広告」につながるのではないだろうか。
そして、僕は代理店に転職する・・・・予定だ。
ノムラリョウスケさま
おほめいただきありがとうございます。Web担の安田です。
> クライアントによっては、モバイルで訴求するよりも
> テレビ・雑誌の方がいい場合もある。
>
> でもモバイルメディアを生業としている以上、
> 何らかの提案をしなくてはならないし、
> それが売上につながるのであれば
> やらなくてはならない。
> たとえそれが良い効果につながらないとしても。
このあたりが難しいところですよね。そういう場合に、うまくクライアントメリットを出せるように、他の媒体と組む体制を整えるなんてのも、嫌気をささずに、クライアント満足を得て、かつ自社の仕事を進めることもできるやり方なのかな、なんて思います。
Web担は広告ネタが最近あまり多くないですが、ちゃんと扱っていきますので、ぜひ今後ともチェックしてくださいませ。
投稿情報: Web担の安田 | 2008/11/03 20:16
安田様
コメントありがとうございます。
実際「後ろめたさ」があるのは否めません。
結局のところ、クライアントに対してもコンシューマーに対してもよくない事をするわけですからね。
ただ、もっとシビアに「ビジネス」ということを意識する必要はあるし、一方でクライアントもメディアもコンシューマーも誰もが満足のいく形を模索することは重要だと思っています。
難しいですね・・・
投稿情報: ノムラリョウスケ | 2008/11/04 16:02
安田です。
思い切って、「でもお金を出すほうが納得してるんだから、それはそれでアリ」と割り切れると楽なんですが、そういう仕事のしかたって、おもしろくないんですよね。。。
クライアントにもユーザーにも、自分にも良い仕事の進め方がみつかるといいですね。
投稿情報: Web担の安田 | 2008/11/05 05:57