最近、広告代理店の存在意義とは何なのかを考えていた。
何でそんなことを考えているかと言うと、ある部分で悩みが生じてきたからなんだけど、それは後述する。
まだ自分の職業としているわけではないので考え方は変わるとは思うが、現状、僕の中での考え方はこうだ。
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クライアントと消費者をつなげる橋渡しの役割。
「明日の広告」的に言うならば、広告というラブレターを作って消費者に届ける役割。
広告代理業を行う上での最高の形、つまりベストパフォーマンスは、クライアント、消費者、媒体(メディア)、広告代理店全てがWin-Winになれること。
大げさに言えば、広告はちょっとしたクリエイティブ、CM、コピーにより、大きな経済効果につなげることができる可能性もある。
インターネット、モバイル市場においては、クライアントが直接メディアと手を組んでしまうケースも特に顕著に見られるが、それはそれでいいし、仕方がないことだと思っている。
実際、僕もメディアの立場にいて、代理店を通しマージンが抜かれることを嫌がり、代理店を通さずに行った事例もいくつかある。(御法度なケースもあるが・・・)
もちろん、クリエイティブやコピーを考えなくてはいけないという話になるとクライアント⇔媒体の関係性だけでは知識・経験・スキルの部分で足りない部分もある。
何が言いたいかというと、最初に書いたことと矛盾するが、「橋渡し」の役割しかできない広告代理店なんていらないのだ。むしろそれならジャマであり、橋渡しというよりも「関所」になってしまう。
クライアントにもメディアにも、広告代理店を通すメリットを感じてもらわなければならないのだ。
ここで言う「メリット」とはクライアントにとって、メディアにとってそれぞれ違うものだが、主に「折衝力」や「交渉力」、「企画力」や「クリエイティブ力」などがメリットとなる。
そのような部分が優れていればただの橋渡しにはならない。
広告代理店の仕事は結婚紹介に似ているかも。
合いそうな者同士を調べて「マッチング」させる。
そして、良い雰囲気でコミュニケーションが取れるように良い場所(メディア)を用意する。
・・・と、長々と書いてきたが、すごくリアルな話、「クライアント至上主義」であることは間違いない。お金を落とすから当然なんだけど。
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現状僕が考える広告代理店とはこのようなものだ。
冒頭で「後述する」と書いたのが、最近ある部分に悩みを抱いている。
それは「クライアント至上主義」の部分。
例えば、お互いが競合であるA社とB社があるとする。
今回、A社をクライアントとして、冬に行うキャンペーンの告知を依頼されているとしよう。
しかし、よくよく調べてみると、B社も同じようなキャンペーンを考えていて、A社と比較して内容も値段も勝っている。
つまり、消費者にとっては圧倒的にB社を選んだほうがいい場合、A社の広告代理人として僕は何をすべきか、何ができるかということだ。
「消費者にとって、本当はよくないもの」を広く伝える・・・
この状況を想像した時に、僕はすごく複雑な気持ちになった。
ビジネスとして割り切って考えればいいことでもない。
単純に「やりたくない」と思ったが、そんなわけにはいかないと思うし、打開策とは何かを考えていた。
先日、この悩みを広告代理店で20年以上働く営業の方に聞いたところ回答はこうだった。
「たとえB社のほうが良いとしても、A社をクライアントとしてる以上、その会社を愛さなくてはならないし、広告においてベストパフォーマンスを発揮する努力をしなくてはならない。」
・・・やっぱり、そうきますか。
こういったシチュエーションに遭遇することって普通にあると思うので、その際の打開策について(仕事の面でも、精神的な面でも)考えることにします。
この続きはまた今度。
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