任天堂の第3四半期決算説明会の質疑応答を読んだ。
社長である岩田 聡さんの返しがすごく興味深かったので要約してみる。
◆iPad登場についてどう思ったか?
―「大きいiPod touchが出た」と思いました。「私にとって意外なことはありませんでした」というのが感想です。
これは吹いたwww
◆今後のビジネスの方向性について、「枯れた技術の水平思考」という言葉で展開されてきたように思うが、今後積極的に新しいテクノロジーを取り込んでいく可能性は社内的にあるのか。
―先端テクノロジーと無縁でビデオゲームのビジネスはできない。
一方で、ハードで使う技術というのは、お客様がインタラクティブなエンターテインメントを味わう上で「黒子であるべきだ」と思っている。
また、新しい技術を取り入れるか否かは「バランスの問題」。本当にお客様がそれで驚くのか、それを取り入れることで原価が高くなりすぎないか。
このあたり、appleとは正反対かもしれない。
でもWiiのようにターゲットをファミリーに置いた場合、技術を押しても仕方ないし、そもそもゲームって軸は結局エンターテインメント性に尽きるしね。
◆今後は軸足をゲームに置きながらも音楽、動画、電子ブック、SNSなどの広い意味でのエンターテインメント分野に進出して積極的にやっていく可能性はあるのか。SNSについて興味は。
―ビデオゲームというものの定義が広がっていく形で任天堂の事業領域が広がっていく。
インタラクティブなエンターテインメントの拡張の結果として、例えば音楽や、動画、SNSと接点ができるということはあり得るかもしれませんが、「他社さんがやっているこういうビジネスがあって、任天堂もそれをやった方がいいからそこに出て行く」というアプローチにはあまり興味がありません。
地に足ついてるコメントだよなー。
すごく心に響いた。
ついつい、真新しい技術やクロスメディアな方向で物事を考えていまいがちだけど、それは「結果」としてそうあるべきで、考えるべきことは生活者の満足度を高めるためにはどうすべきか、ということ。
日々色んな企画をしているけど、ちょっと考え方を改めてみようと思った。
質疑応答全文はこちら。
http://www.nintendo.co.jp/ir/library/events/100129qa/index.html
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