今更だけど、CGMビジネスは難しい(特にモバイル)
モバイルの話はちょっと置いといて、まずCGMをやるに当たり、何をゴールとするか。
多くのユーザーを集めるのか、多くの収益を出すのか。
この点に関しては実は比例に見えて比例ではない。
ユーザーを集めたからといって必ずしも収益に結びつくわけではない。
よく、CGM系の企画をする人は「ユーザーを○○万人集めて広告で収益を出すメディアを創ります」とか言うけど、そんな単純じゃない。
これは僕も気をつけなければと思う。
せっかくなので単純計算でもしてみましょう。
例えば、100万人集めるCGMを創って、毎日TOPが100万PVであっても、月間で3000万PV。
1500万PV / 2週間として、こんなTOPバナーメニューを作ったとする。
例)それなりに妥当な金額値で。
■TOPバナー
■保証形態:期間保証
■想定imp:3,000,000imp(5枠)
■想定CTR:0.3~0.6%
■お見積り:600,000円
600,000×5枠×2=6,000,000円
代理店マージン20%引いて4,800,000円
セグメント掛けていったらこんなキレイに売れることはないし、常に枠が全部埋まることもないでしょう。
だから実際はもっと下がる。
1000万円を着地点とするなら、さらにタイアップ系の広告を毎月ガツガツ入れて、第二階層以下のページにバナーとかをちょこちょこ入れて・・・それでも厳しい。
100万人集めるサイトでもこんな感じ。
いや、100万UUを維持するにはそもそも100万人じゃ足りない。
平均的に見て、この規模感のサイトは大体6割がアクティブだとして、170万人ぐらい集めてようやくって感じですかね。
それだけ広告収入でやっていくのは厳しい。
もちろん、この例はあくまで基本的な形であって、本当はどんなユーザー層が集まっているか、どんなアクションをさせるか、サービスを使うモチベーションは何か、によって変わる話だ。
しかし、ついつい皮算用をしてしまいがちな企業が多いのも事実だ。
だからここ2、3年で様々なCGMが産まれ消えていった。
最初に話を戻すが、モバイルのCGMは特に難しい。
理由はいくつかあると思う。
①書き込みの不便さ
⇒キーボードで打つよりもめんどくさい。URLを貼りたいけどめんどくさい。
②ページ遷移の問題
⇒別ページ表示ができない(一部のケータイは可能)ため、戻るのが大変
③UIの問題
⇒画像はリンク処理、テキストフォントは無機質になりがち
他にも色々と問題はあるけど、そもそもCGMはそこに様々な情報が集約されていて、そこを見る価値、書き込む価値があるから人が集まってくる。
しかし、モバイルは現状、その大事な部分が使いづらい。
だからmixiなんていい例だけど、モバイルで成功してるCGMはPCでも展開している場合がほとんどだ。
世間的には、「モバイルのPVがPCを抜いた!」⇒「これからはモバイルで稼ごう!」みたいな流れでどんなサービスもモバイル展開すればいいみたいに見えてしまうが、実際ユーザーはモバイルではライトな使い方しかしていない。
もしくはPCの前にいない時にモバイルで見ているに過ぎない。
これは個人的に感じていることだが、普段の生活の中で、PCを使わずにモバイルのみしか使っていないユーザーからはあまりお金を取れないと思っている。
(世代や経済状態を考えると)
※もちろん、これはどのサービスにも当てはまることではなく、例えばEC市場はモバイル単体でもこれから十分に伸びていく可能性がある。
で、結局何が言いたいかというと、「これからモバイルでCGMをやるには単体では厳しく、よりインタラクティブな展開が必要。さらにユーザー数が少なくても収益を上げられるポイントをいくつか持つことが必要」ということだ。
はっきり言ってめちゃむずい。
ひねったことをやってもユーザーの理解を得られないかもしれない・・・
普通に攻めたら攻めたでユーザーの選択肢から落ちる・・・
そういえば、滑り出しは良く、初期の段階で20~30万人集めた某ケータイSNSがあったんだけど、いつの間にか出会い系広告まみれになって、ユーザーも業者まみれになって、最近社員もどんどん辞めていってるようです・・・
その会社はいわゆるモバゲー系SNSの走りだったんですがね。死亡。
とゆーわけで、モバイルCGMを企画するテンションが下がってます。
何か打開策はないものだろうか。
今日はそれを考えながら寝よう。
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